主な相続手続きを紹介
ここでは相続手続きにはどのような種類があるのかを主に4つの柱をもとに紹介しています。
受け取る手続き
生命保険
生命保険加入者 (被保険者) が亡くなった場合、保険金の受取人は保険会社に対し、保険金の受取り手続きをします。
簡易保険
最寄りの郵便局で保険金請求の手続きができます。
その後、かんぽ生命で書類等の審査が行われた後に支払いがなされます。
葬祭費・埋葬料
国民健康保険に加入していた場合は役所に申請することで「葬祭費」を3万円~7万円ほど支給されます。
健康保険に加入していた場合は勤務先か社会保険事務所に申請することで「埋葬料」を5万円ほど支給されます。
遺族年金
生計の担い手である人が亡くなった時は、その人によって生計を維持していた遺族に支給される年金を遺族年金といいます。
遺族年金には、「遺族基礎年金 (国民年金)」「遺族厚生年金 (厚生年金)」「遺族共済年金 (共済年金)」の3種類があります。
それぞれ受給資格や支給額が異なります。
遺産を引き継ぐ手続き
亡くなった人が持っていた遺産は、そのままにしておくと後々トラブルになりかねません。特に大きなお金が動く可能性のある下記事項に関してはすみやかに確実に名義変更しておくことをおすすめいたします。
預貯金口座の解約・名義変更
口座名義人が亡くなったことを確認すると、金融機関はすぐに口座を凍結し、利用できない状態になります。
たとえ遺族であっても口座からお金を引き出したり、口座振込や振替えができなくなります。
そこで金融機関に相続人の戸籍や印鑑証明書などを提出し、口座の名義変更や解約の請求をする必要があります。
必要書類や取り扱いに関しては各金融機関により異なります。
自動車の名義変更
亡くなった人が自動車の名義人の場合、自動車の名義変更もしなければなりません。運輸支局にて名義変更の手続きします。
たとえ相続人が自動車を売却したい、廃車したい場合であっても、必ず相続による名義変更手続きをしなくてはなりません。
不動産の名義変更「相続登記」
不動産の名義変更は、法務局に対し相続登記の申請をします。
法律上の期限はありませんが、名義変更せず長期間放置していると、様々なリスクが生じてきます。
株式・株券の名義変更
株式が証券取引所に上場しているかどうかで手続きが変わります。
上場株式:
取引口座を開設している証券会社の口座名義の変更手続きと、その株式を発行している会社の株主名簿の変更手続きをする必要があります。
非上場株式:
株式を発行している会社によって異なります。この場合は発行会社に確認する必要があります。
税務上の手続き
被相続人が亡くなった後は、その財産に対して税金がかかります。
相続税の申告
相続税は、相続で受け取った財産の額が基礎控除額を超える場合に、その超過額について課税されます。
相続税が課税される場合には、10ヶ月以内に申告しなければなりません。
※亡くなった人に借金があればその金額は控除できます。
※亡くなる前の3年以内に贈与を受けた財産があればその額は加算します。
3,000万円 + 法定相続人の数 × 600万円
準確定申告
確定申告すべき人が亡くなった場合は、その相続人が亡くなった人に代わり確定申告しなければなりません。
例えば自営業で毎年確定申告をしていた店主が亡くなった場合、代わりに相続人が確定申告をします。
これを準確定申告といいます。
1月1日から亡くなった日までの所得を4ヶ月以内に申告する必要があります。
法律上の手続き
相続放棄・限定承認
相続放棄とは、亡くなった人の財産を一切引き継がないという手続きです。
亡くなった人に遺産を上回る借金がある場合や、他の相続人に遺産を相続させたいときに行われます。
限定承認とは、相続によって引き継いだ遺産 (プラスの財産) の範囲内においてのみ、亡くなった人の借金 (マイナスの財産)を返済する責任を負い、相続人自身の財産では責任を負わないとする手続きです。
亡くなった人の借金を返済し終わっても遺産が残るのであれば、その遺産を相続することができます。
遺言書の検認
亡くなった人が手書きで作成した遺言書を「自筆証書遺言」といいます。
公正証書遺言以外の遺言書は、遺言者が亡くなった後、家庭裁判所で検認をする必要があります。また、封印がある遺言書の場合には,家庭裁判所で相続人等の立会いのもと開封しなければなりません。
なお、検認とは、遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続きです。遺言が有効かどうかを判断する手続ではないので注意してください。
検認については下記リンクで詳しく説明をしていますのでぜひご一読ください。
遺留分減殺請求
遺留分とは、兄弟姉妹以外の相続人に最低限分配されることを保証された相続財産の割合をいいます。
亡くなった人がいくら遺留分を侵害するような遺言をしていたとしても、相続人はその保障された部分については、遺産を請求することができます。
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